ブラックジャックによろしく (12) (モーニングKC)

ブラックジャックによろしく (12)
最近ちょこっと忙しかったりなんやかやで疲れていますが、今日は疲れてるときに読むとさらに疲れそうな漫画、『ブラックジャックによろしく』です。
ブラックジャックによろしく』通称ブラよろですが、ドラマ化もされましたっけね、見てないんですけれども、知名度は高い作品ではないかと思います。
タイトルにもつかわれている、『ブラックジャック』ですが、私は大好きです。手塚先生の最高傑作といっても過言では無いかなと思っていますが、この漫画にはまったく出てきません。当たり前か。当初、このブラックジャックと言う単語に反応してこの漫画を読み始めたので、ある意味、釣られてしまったのかもしれませんが、出会いはどうあれ、悪いもんじゃなかったなとも思うわけです。
ここで、『ブラックジャックによろしく』についてご説明。
作者は『海猿』でもおなじみの佐藤秀峰(さとう・しゅうほう)先生。私立永禄大学医学部を卒業した主人公、斉藤英二郎(さいとう・えいじろう)が、同病院にて研修医として働き、医療現場に直面し、苦悩・奮闘する姿を描いた、週刊モーニング連載中の漫画です。
今巻も含め、ここ数巻は精神科編ということで、過去最長の時間をかけて精神医療について描かれています。
佐藤先生の漫画は、「熱い」と言う印象があります。この漫画も主人公をはじめとして熱い。医療の問題に向き合う人たちがいっぱいです。以前も書いたように私は医者漫画が好きなのですが、この漫画は、医者漫画というよりは医療漫画な感じです。今の日本の医療に関する問題点を浮き彫りにするようなつくり。もっとも、問題点がわかったところで私にどうできるものでもないんですが、いろいろと考える契機にはなる気がします。ここ最近の精神科編では、精神病に悩む人たちが主に描かれているんですが、患者さんとその家族、そして世間一般の精神障害者に対するイメージなんかが、オブラートに包まれることも無く叩きつけられると言うか、描かれています。読みながら、ほんとに難しい問題だよなぁなんて、他人事みたいにぼんやりと思ったりしちゃうんですけれども、やっぱり他人事ではあります。自分も、ここに描かれている病気に無理解な人たちに近いなぁと思わされるんですが、かといってすぐに理解できると言うものでもなかったりします。よほど近しい人か、自分自身に降りかからないと、なかなか理解できないんだろうなぁと。漫画を読んだだけで理解できたとか、すぐに考えが変わったとかいう方がむしろ変かなと。
うーん、やっぱり考えさせられちゃうなぁ。
この精神科編に今までで一番筆をさいているというのも、これがそれだけ難しい問題であることを表しているのかなという気もします。今までなかなか描かれる事がなかった(タブー視されていたと言ってもいいのかもしれない)分野だと思われるだけに、描かれたというだけでも凄いなと感じます。この漫画では、一つの物語が終わったとしても、必ずしも問題が解決するわけではなかったりするんですが、どういう風に話が着地するのかなと興味はあります。
読むのに結構体力がいるかもしれませんので、どっしりと腰を据えて読まれてみてはいかがでしょうか。