「サイレン」

先週の見残しであります。
実際のところ、先週候補に挙がっていたのは『燃ゆるとき』だったんですけれども、今日になって、なぜか、『サイレン』を見てしまうことになりました。
といいますのも、この『サイレン』監督はあの堤幸彦(つつみ・ゆきひこ)監督です。
これは見ないわけにはいかんなと、堤好きの血が騒いだわけです。


SIREN2
『サイレン』は、ゲーム『サイレン2』を下敷きにした映画らしいです。
ホラーというか、サスペンス的な、実際にはスリラーという位置付けなんでしょうか。堤監督っぽさの良く出た映画だった気がします。
この映画をみて、「ゲームでもやってみるか」という気分には全くならないので、ある意味成功です。映画としてこれでよかったんじゃないかなぁと。
本来、私は恐いものが嫌いなので、ホラーっぽかったら敬遠したと思うんです。実際先週は見る気無かったですし。ただ、「堤監督ということなら」と。あの人が撮ってるんだったら、大丈夫かなと。信頼して、見に行ったら、まぁそこそこあたりでしたね。そんなに恐さは無い。恐いというよりは、嫌な感じのする、実にスリラーしてたかなと思います。


ご出演は、阿部ちゃんをはじめ、森本レオ(もりもと・れお)さんや、ココリコの田中直樹(たなか・なおき)さん、嶋田久作(しまだ・きゅうさく)さん等が脇を固める中、主演は市川由衣(いちかわ・ゆい)さん。名前どおり、かわゆい感じの方ですね。
隣人役の西田尚美(にしだ・なおみ)さんも相変らずのお美しさで素敵でした。
謎の女の子役の高橋真唯さんも可愛かったなぁ。
それと、弟役の西山潤(にしやま・じゅん)君も、なかなかの演技見せてくれてました。唐沢寿明さんに似てる感じで、将来が楽しみです。


落ち(というかラストシーン)には少なからず驚かされましたが。
あの収まりの悪さのようなものが、この映画をスリラーとしてまとめていた気もします。


劇中も、堤監督らしい描写がいろいろとあった気がしたんですが、やっぱりエンドロールが一番それっぽかったかもしれません。
堤監督好きならみて損は無いかと思います。


総じてなかなか楽しめました。ゲームとは全く別のところで。
ゲームをやっていたらもっと楽しめたのかどうかは不明です。また、映画を見てからゲームを遊ぶとどうなるかも不明。たぶんやりませんから・・・。恐いの嫌いだから無理です。

堤監督らしさ

堤監督は、本当に巧いなぁと、毎度思わされているのですけれども。実際のところ何がいいのかというと、「いやらしい(良い意味で)」ところかなぁと思う次第です。
たとえば、『TRICK』から、笑いを取り除けば残るのは何かといえば、「居心地の悪さ・気持ち悪さ」ではないかと思います。堤監督はそういう部分を出すのが非常に巧い人です。そういうところが好き。
気持ちの悪いもの、というか、居心地の悪いものを取らせると、堤監督の右に出る人はそうそういないのではないかと思ってますが、この『サイレン』でも、そのあたりの堤監督力が見事に発揮されてました。
単なるエキストラの人たちを使ってあそこまで居心地の悪さを出してるのはさすがといったかんじ。いやぁ、これは『TRICK −劇場版2−』も楽しみですね。大期待です!

どっちが本編か

実は、『サイレン』本編上映直前に、山田と上田が出てくる『TRICK −劇場版2−』の予告編が流れるんですけれども、むしろ自分的にはそっちが本編的な気持ちでした。いやぁ、あの二人はやっぱり、山田と上田です。画面に移った瞬間、山田と上田だとわかる。いやぁ、ほんとに楽しみです。