シリアナ

チケットカウンターで、「シリアナお願いします」と言ってから、ハッとしたんですが、下手したら、そういう意味ですからなんだか恥ずかしいなと。気にしたら負けでしょうか。
それはそれとして『シリアナ』見てまいりました。
今日は他にも見てみたい映画がいろいろと公開されてたんですが、その辺は私が見なくても、いくらでも見る方がいらっしゃるでしょうからお任せ*1した次第です。


映画『シリアナ』について、少々ご紹介。
トラフィック』チーム再集結という煽り文句。『トラフィック』の脚本を手がけた、スティーブン・ギャガン(すてぃーぶん・ぎゃがん)監督によるアメリカ映画で、『石油』をテーマに、とある数人の視点から撮られた映画です。この数人の視点がそれぞれ入れ替わりつつ話がすすみます。彼らには直接的な関わりはないのですが、『石油』というテーマと、周りの人間関係や事件などで間接的に全部繋がっているという構成。はっきり言ってしまえば、まんま『トラフィック』の続編。『トラフィック』での『麻薬』と言うテーマをそっくり『石油』に変えてしまえば『シリアナ』の出来上がり。そんな映画です。
ただ、『トラフィック』をご存知ない方も楽しめます。お話のつながりは全くありませんので、ご心配なく。ただ、構成は非常に似通っているというかそのままだなぁと感じました。この構成結構好きです。多視点物が好きなだけかもしれませんが。
物っていうのは色んな見方が出来ますけれども、それをこういう風にみせてくれると非常にわかりやすいと言うか、いろいろ考えられて楽しいです。


今回は『石油』についていろいろと考えさせられました。
いや、ほんと凄い世界ですよ・・・。
しかし、実際のところ、石油はあと数十年で枯渇するなんて話がそれこそ数十年前からいわれてて、未だに枯渇してないわけですが、いつかはきっと枯渇しますよね?ほとんどの人は自分が生きている間にはそういう事態にならないと思ってる気がします。私もそうですが。だから余り現実味の無い妄想だったりしますが、もしそのときが来たらと思うと、恐ろしいですね。石油を取り巻く状況は常に緊張してるんだなぁなんてことを考えさせられちゃういい映画だったと思います。


主演はジョージ・クルーニー(じょーじ・くるーにー)。個人的にはERのダグの印象が深いんですが、いいかげん数年たってますし、今回は髭を生やした中年のおっさんといった感じでした。あとは、マット・デイモンジェフリー・ライト(じぇふりー・らいと)、クリス・クーパーもご出演。地味に豪華な顔ぶれ。


今回驚いたのは、赤裸々というかなんというか、従来のハリウッド的な配慮*2があまり感じられなかった点です。
こういう描写しちゃって大丈夫なんだろうかと、こっちが少し心配してしまうくらいの描写。石油関連だけあって、アラブ関連の事項も色々と出てくるんですけれども、本当にいろいろと考えさせられましたね。闇が深い。
アラブに限らず、CIA内幕物的側面もあって、アメリカがどういう行動をとっているかという部分も見れます。『トラフィック』でもかなり突っ込んだ部分があったと思うのですが、そのくらいにはこの映画でも突っ込んであります。見て損は無いんじゃないかなぁと思ってます。


映画って言うのは娯楽なんですけれども、色々と知ったり考えさせられたりそういう部分もある。だから私は映画が好きなんだと思います。

ちなみに

結局劇中で『シリアナ』という単語について語られることは全くありません。じゃあ、何?ってことになるんですけれども、パンフレット(¥700-)の中で発見しました。

映画のきっかけになった「CIAは何をしていた?」の著者である、ロバート・ベアによるとこれは、
「ワシントンのシンクタンクのjargon(業界用語)で、アメリカの利益にかなう、中東の新しい国」ということなのだ。国境も明確ではなく、実際の国境とは異なる上に、具体的な地域もシリア、イラン、イラクの3つから成ること以外は、仮想上の国と言えるだろう。「だから、人それぞれのバージョンがある」とベアは言う。


CIAは何をしていた?
と言うことだそうで、まさに、へぇ〜へぇ〜言いたくなります。
少なくともお尻には関係なくて一安心ですね。チケットカウンターでは元気良く、「シリアナ!」とどうぞ。

*1:任されても困るでしょうが・・・

*2:いわゆる自主規制的表現とでも言いましょうか