日本沈没

というわけで、福田麻由子ちゃんを見てきました。
全編でずっぱりとはいかなかったものの、そこそこの出番と、ここぞと言う時の見事な演技で、麻由子ちゃんを堪能してまいりました。本当に良い女優さんに成れると思います、がんばれ麻由子ちゃん!
これだけのために見に行ったので、それなりに満足です。映画のほうは、麻由子ちゃんのおまけです。
ただ、麻由子ちゃん大好きな方が見に行かれると、草なぎ君に殺意を抱くこと必至かと思われます。実際私は冒頭のシーンで、軽く殺意を覚えましたので。


と、これで終わらすのはさすがに気が引けるので、もうちょっと書いておきます。
日本沈没』は、小松左京(こまつ・さきょう)原作による同名小説の映画化作品。1973年に公開された同名作品*1のリメイク。
今回の監督は樋口真嗣
内容は、地殻の異常現象により、日本列島が沈没してしまうという事件を描いたSF。自然災害映画*2です。


ちなみに、私、原作も未読なら、元の映画も未見だったりしますので、そこのところはご了承下さい。
あともうひとつ付け加えると、『アルマゲドン』をみて爆笑できる人間です。
人間色々です。


さて、今回の映画をみていて、どうもなんとも違和感を拭い去れなかったのは、これはSFなはずなのに、なぜにラブストーリーが展開しているのかという不思議でした。主役は草なぎ剛(くさなぎ・つよし)君に、ヒロインは柴崎コウ。とくれば、まぁそうなってしまうのも仕方ないんでしょうか。もっとも、私の中では主役もヒロインも福田麻由子ちゃんだったんですが。
最近の映画で不満なのは、どんな内容・設定でもラブストーリーだとか、感動物に仕立て上げる点です。
「おまえら馬鹿か」と、「それしかできんのか」と、もう辟易してしまいます。勘弁してくださいと言った感じです。
ラブストーリー自体に罪はありません。それだけで造られた優れた作品もいくらだってあります。けどですよ、なんにでもくっつけるなと申し上げたいわけです。流行だからしかたがないのか、メインとなるターゲットがそれを望んでいるからなのか。どうなんでしょうね、私にとっては、そんなことをして作品が台無しになるのは不幸としか思えないんですが。それを望む人の方が多いんでしょうかね。だとしたら、仕方が無い部分もあるのでしょうかね。
実際、マーケティングの権化であると思われるハリウッド物にも、無理やりラブストーリーをくっつけたようなものもありますし、そういうものなんでしょうか。個人的には納得しづらい・・・。
というわけで、この作品はそう言う作品です。題材はとてもいいと思うんです。面白いSFだと思います。設定がまず思いつかないし、考え始めればとても深い問題を投げかけていると思う。
しかしながら、ラブストーリーが軸になってしまって、全てがぼやけちゃった感じがしました。
つまり


シンジ君、逃げちゃダメだ!*3


真正面から、日本が無くなることというか、国家とはなにか、国民とは何か、民族とは。みたいな重い問題から逃げ出したような気はしました。その辺と真っ向に立ち向かって、その善し悪しに関わらずなんらかの結論を出してくれていたら、もっと面白いものになったんじゃないかなぁなんて思いましたが。ただ、そう言う重い話は、大ヒットするには難しいのかもしれませんね。やっぱり、CGでグワーン!ドカーン!バリバリ!みたいなので、ストーリーも無いくらい薄い方が単純に楽しめるのかもしれませんし。実際のところ、アクション映画ならそう言うものの方が好きです、私は。ただ、せっかくのSFなのになぁとは思うんですよねぇ、題材が良いだけに、やっぱりちょこっと残念でした。


それから、終盤の草なぎ君と、柴崎さんのシリアスなシーンがあったんですけれども、なぜかそこで笑いがこみ上げてきちゃった*4んです。上で、『アルマゲドン』で爆笑したって書いたのも、そういうことがあったからなんですが、なんか近いものを感じたんですね。思わず心の中でつっこんでしまうというか。「そこはそれでいいの?なんか違わない?」みたいな。ちょっとした違和感と言うか。SF部分につっこむような野暮な真似はあまりしたくないし、実際するつもりも無いんですが、このストーリー、いや、このシーンにはツッコミ入れたくなりました。
( ´д`)←その時たぶんこんな顔 してたと思います。



結末は悪くない終わり方だとは思いました、ありがちだったり、ご都合主義的とも思わないです。ただ、全体としてみると、ぼやけてるなぁと言った印象はぬぐえません。


というわけで、一言で言うと、惜しい。というか、中途半端。そして、福田真由子ちゃん可愛い。
という映画でした。


やっぱり、元の映画とか原作とかも読んでみたくはなりました。


さて、『ゲド戦記』の公開も近づいてきてとっても楽しみです。絶対見る!見ますから。

*1:この時の監督は、森谷司郎(もりたに・しろう)

*2:言い方を代えると、ディザスタームービー かな?

*3:すみません、これが書きたかっただけって訳じゃなかったんですが、ちょっと無理はしたかもしれない

*4:感覚としては失笑に限りなく近い