ゲド戦記

といったわけで、楽しみにしていた『ゲド戦記』観て参りました。
簡単に感想を述べますと、面白かったです。まぁ。そこそこ。普通に。


もともと、原作も知らないので、どういう話なんだろうという所から出発してるんですが、予告を見た時点で、私が望んだような話ではないらしいことはわかっていましたが、まさかここまでとは思いませんでした。というのも、最初は、戦記と名がつくくらいなので、派手な戦争ものみたいなのを考えてたんです、ところがところが、映画を見てみると全然違う、そういうものではなく、最終的にはひとりの心の中に帰結するという内容でした。思ったのと全然違う。
まぁ、その辺は訳の分からない期待をした自分の問題なので、全然構わなかったんですが、ただ、やっぱりそう言う内容だけに、派手さには欠けたかなぁと。活劇的部分がやや薄い感じは受けました。もうちょっと派手にやってくれてもよかったかもとも思いますが、落ち着いた感じで見れるのでそれはそれでいいのかもしれません。
はっきり言って、画も、内容も良いです、さすがジブリといったかんじ。
もうちょっと、内容と、画面に盛り上がりと派手さがあれば文句なしでした。
映画だけでは何となく物足りない感じも受けたので、原作を読みたくなりました。


そう、そうです、原作といえばなんですが、本編が終わり、スタッフロールが始まったところで驚愕の文字列が。
前情報を仕入れていなかったので、まさに驚愕したんですが、原作はもちろん『ゲド戦記』です、ところが、その下から競りあがってきた文字が、『原案『シュナの旅』』


ええ〜っ!!


「なんですとー!」ですよ、びっくり。
シュナの旅』読んでおくべきだったと後悔。
前々から読もう読もうとして放置したままはや数年、失敗しました。
読んでいれば、この映画の見方ももうちょっと変わっただろうになぁと残念でなりません。


そろそろ、『ゲド戦記』と、ついでに『シュナの旅』についてご紹介を。
まぁ、紹介の必要も無いとは思うんですが。


ゲド戦記』は宮崎駿(みやざき・はやお)監督のご子息でいらっしゃる、宮崎吾朗(みやざき・ごろう)監督の初監督作品*1
素人監督ということで、物議を醸したような、なんだかいろいろギャーギャー騒がれていた気もします。話題には間違いなくなっていましたね。
原作は、アーシュラ・K・ル=グウィン(あーしゅら・けー・る=ぐうぃん*2
ゲド戦記 全6冊セット
魔法使いゲドを主人公としたファンタジーだそうです。
私自身はあまりファンタジー物を読んだことが無いので、読んでみようかなぁなどと思案中ですが、積読している本が山のようにあるので、おそらく読むとしても相当先のことになりそうです。


そして、『シュナの旅』。これは宮崎駿監督によるファンタジー絵物語で、ナウシカの原典だとか言われてたようなそうでなかったようなそんなかんじがしないでもない作品です。
シュナの旅
この本の存在は大分前から知っていたので、読もう読もうと思ってはいたものの、なぜか読まないままに数年の月日がたってしまっていました、ということに今日気付かされました。
しかし、原案ですか、どういう位置付けなんでしょうね。混ぜたのかな。


冒頭の父殺しっていうのはやっぱり、監督の父に対しての決別とかそういう要素なんでしょうかね。
そういえば、アレン君が主役っぽかったかもしれない、そのせいでゲドのキャラはいまひとつつかめなかったかも。


観終わって最初に思ったのは、なぜか「これは、原作はおもしろそうだ」だったんですよね。映画自体がどうこうというより、原作の方に興味が出た。なんなんですかね、映画自体に不満があったわけじゃないんですが、いや、やっぱり物足りなさはあったのかもしれない。結局アレン君の一人舞台とはいいませんが、アレン君の問題が軸になってその周囲で展開してる気がしたので、やっぱり狭さは感じました。私がアニメに求めるのは派手さだったのだろうかと今思ったりもしてるんですが。そうかもしれない。
画はちゃんと動いてたんだけど、ストーリーの山場とともに、いまひとつ盛り上がりに欠けた気がしてます。


それにしても、素人監督と言うわりには普通に、ちゃんとジブリ映画だったかな*3と。おそらく、スタッフの力も大きかったんだろうなぁとは思いますが。動画の部分は大丈夫だったと思う、そうするとやっぱり大事なのはストーリーとか演出になってくるわけで、その辺が課題かなぁとは思います*4が、次回作があるなら楽しみにしたいと思います。


***カテゴリ[アニメ]追加 2006.07.29 23:39

*1:ずっと、”第一回”監督作品と銘打ってたので、二作目以降もやる気まんまんなのかなぁと思ってるんですが、どうでしょょうね

*2:こういうときの、「・」と「=」の違いがいつも気になる癖に、いつまでたっても調べない自分に気付かされます

*3:絵柄がやっぱり大きいのかな、ジブリキャラというかんじのキャラデザインなんですよ

*4:音楽がちと弱かったかも、CMでも流れまくる『テルーの唄』はやっぱり良かったですよ