オリバーツイスト

本日は、ロマン・ポランスキー(ろまん・ぽらんすきー)監督、バーニー・クラーク(ばーにー・くらーく)主演の『オリバーツイスト』を見てまいりました。っと。
原作はチャールズ・ディケンズ(ちゃーるず・でぃけんず)ということで、有名な古典みたいですね。といっても、私は名前くらいしかぞんじあげておりませんでしたが。
オリバー・ツイスト〈上〉オリバー・ツイスト〈下〉


まぁ、なんですね。感想からいうと、古典だけあって面白い。
古典というのは、昔からあって、しかも現代まで残ってるわけだから、基本的に面白いに決まってます。この映画も、原作に忠実なのかどうかは全くわかりませんが。なかなか楽しめました。
2時間超と言うことを感じさせず、テンポが良かった。ということは、とりもなおさず、原作は相当はしょられている懸念もあるわけですが、読んでないし、特に不自然なところも感じないので問題ありません。
オリバー君の純粋さというかうぶさというか、あんな環境に育ってなお、まともな精神を持っているというところに感動です。
まぁ、作り話ではありますけれどね。腐ったらいかんなと思わされたわけです。
なんとなくですが、子供に見せたくなる映画でした。エンタテイメントとしてもなかなか面白いし、それ以上にいろいろと考えることが多い映画だと思います。なんというか優等生的というか、文科省は推薦しちゃってもいいんじゃないかとすら感じました。
まぁ、奇麗事ばっかりでもないので、そうもいかないとは思いますが。

子役のつらさ

子役というと、いろいろと大変だと思います。特に、どこでどう間違ったかという人生を歩んでしまう子も少なくありません。マコーレ・カルキン(まこーれ・かるきん)君しかり、ブラッド・レンフロ(ぶらっど・れんふろ)しかり。
子供の頃から、大人の世界、しかもすごく派手な世界に身を置くわけで、身を持ち崩す誘惑等には事欠かないわけでしょうし、はっきりいってしまえば、お金の問題等もあって、子供にはいろいろと荷が重かったりすると思うんですね。だから子役って本当に大変だと思うんです。周りが相当しっかりしていないと、本人は辛いんじゃないかと思うんです。もちろん、やってて楽しいとは思いますが、周囲がしっかり見守ってあげて欲しいなと、思っちゃうわけです。
バーニー君の演技は、凄く巧いとはおもいませんでしたが、とても自然に感じました。だからやっぱり巧い。彼には腐らずにこのまま頑張って欲しいなぁと思います。


では少し中身に触れつつ感想の続きを。

恩返し

この物話の主題は恩返しなのかなぁと思ったりしました。恩返しというか、義理とでもいいましょうか。
なかなか難しい問題だったと思うんですよ、フェイギンに対して、彼は一度は命を助けられたわけですし、一宿一飯の恩もある。しかしながら、ブラウンロー氏には、それ以上の恩を受けちゃってるわけで、かなり苦しい選択ではありましたね。少年にはあまりに酷です。しかも命を危険に晒されちゃったわけですし、凄く辛いだろうなぁと、見ててはらはらしてました。
しかし最後の最後で、フェイギンには恩を返した形になったのかなぁ・・・。律儀といえば律儀か。なんだか、この映画は道徳の授業に使えそうだなぁと思ったりもしたんですが、かなりの難問だったりしますから、結構いろんな意見が出てきそうかななんて思ったり。


それにしても、ナンシーも不憫だったなぁ・・・。
もっとも、オリバー以外の子もみんな不憫だったなぁと、そういう時代だったとはいえですよ。むしろオリバーは恵まれてた方です。結果的には。
だって、施設の子も、フェイギンの下にいた子達も、その後幸せになったのかといえば、変わらぬ暮らしだったであろうと思われるわけで、素直に「オリバー良かったね」とは思えないんですねこれが。


まぁ、こんなわけで、いろいろと見てる間も、見終わった後も考えさせられるお話でしたし、原作が良いのであろうとはいえ、映画としても問題なかったので、きっとこれは良い映画化だったのだろうなと思います。


私は、国の内外を問わず古典をあまり読んでいないので、何とかしたいなぁとは思っているんですが、どうしても優先順位が低いんですよねぇ・・・。「いつかは読みたい!」と思うだけ思っておきます。やっぱり、こういうものは子供の頃に読んでおくべきなのかなぁと、最近思うことが多いです。時間って大事だ。