ジャーヘッド

ジャーヘッド→ジャー頭→びん頭→のーみそからっぽ って感じの意味みたいですね。
ジャーってなんだろって思ってたら、炊飯ジャーとかのジャーだったわけです。
あまり単体では使わないから思い至りませんでした。というわけで『ジャーヘッド』みてまいりました。
予告編をみたときから、これは見たいなぁと思わせるものがありまして、今日は色々と見たい映画が多数公開されたのですが、諸事情で2本しか見られないので、そのうちのひとつがこれと。『ジャーヘッド』は、見に行くことは大分前から決めてましたので、その予定にしたがってみてきました。


ジャーヘッド』は、サム・メンデス(さむ・めんです)監督によるアメリカ映画で、戦争を題材としているものの、直接的な戦闘よりも、むしろ戦闘以外に重点のおかれた、結構珍しい映画となっております。


この映画で描かれている戦争は、湾岸戦争です。近年一番新しい題材かもしれません。
湾岸戦争ではひたすらミサイルの飛び交う様子なんかが報道されていたと思うのですが、実際に従軍した視点というのは全く無かった*1と思います。そういう意味でとても新鮮ですし、戦争映画なのに戦闘以外の部分が多いというのもこれまた新鮮。実際、かなり楽しめました。現代戦における歩兵の在り様というものを垣間見たとでもいいましょうか、珍しいもんみれたなという感覚。
ともかく、かなり興味深い映画であることは事実です。従来の戦争物にありがちなグロイ描写に耐性の無い方でも大丈夫だと思いますが、アメリカの戦争物としてありがちなように、相当程度下品な単語・描写が飛び交いますので、まぁ、その辺は織り込んでおいてください。私は好きなんですけれどね、その辺。
役者さんは、ジェイミー・フォックス(じぇいみー・ふぉっくす)に、クリス・クーパー(くりす・くーぱー)と演技巧者が脇を固めるとともに、主演のジェイク・ギレンホールじぇいく・ぎれんほーる)さんもかっこよかった。主人公の相方役をつとめたピーター・サースガード(ぴーたー・さーすがーど)さんもなかなかよかったです。その辺はさすがに安心して見れます。
なんだか、今年は軽く当たり年のような気がしてきている、今日この頃です。


では少々中身についても書いてみようかなと。


従来の戦争物はひたすら戦闘で、凄惨な場面を描いたものが多かったと思いますが、この映画では、ひたすら待ちの状況が描かれます。しかも、戦闘がはじまったら、ひたすら前進するも前線は爆撃された後といった調子で直接戦闘がほぼ無い。地上部隊、歩兵の存在意義にも関わる気がしました。必要なんでしょうけれどね。


序盤の、兵員輸送のシーンから、「へぇ〜」の連発する映画でした。私は知らないことが多すぎます。
私は、軍用機使うものだとばかり思ってましたが、ふつうに旅客機(しかも客室乗務員付き)で輸送してたんですね、そこにまずびっくり。


やっぱり、兵員の一番の関心事っていうのは、故郷に残してきた人たちのことなんですね。そりゃそうか。物凄く不安になるだろうし、長引けば長引くほど、精神は磨り減ってまともじゃなくなっていくんだろうなぁというのは、凄くよく伝わってきました。


油田付近のシーンはかなり興味深いものがありました。「勿体ねー!」というのが一番最初に思ったことなんですが、原油の雨が降ってるというのがまた驚きでした。あの付近ではああいうことが起こってたんですねぇ・・・。
そうそう、油田といえば、近日公開の『シリアナ』がかなり楽しみです。ジョージ・クルーニー(じょーじ・くるーにー)主演映画見に行くのって実は初めてかもしれない・・・。


それにしても、冒頭出てきた軍曹さん*2をみてると、ハートマン軍曹を思い出さずにはいられなかったんですが、あれはパロディとかではなくて、そもそも、米軍海兵隊の軍曹というものはああいうものなのだろうなと、そんなことを考えさせられました。


劇中、兵士達が『地獄の黙示録』を見てるシーンは、アメリカの人ってこういう映画の見方するんだっけなぁと、そういう見方をしてました。実際、ときおり外国の方が映画館でギャーギャー盛り上がってる場面に遭遇することは過去に何度かありました。そういう場合すぐに静まってたりして、ほんの少しですが、かわいそうにも思ったりしたもんです。まぁ、静かにしてて欲しいんですけれど、楽しみ方がもともと違うから、郷に入りては郷にしたがってもらうしかないなぁと。


おもらしシーンは印象に残ってます。やっぱり、普通は恐いもんですよね。しかもあの時実質初めての実戦だったわけだし。


最後に思ったのは、「実弾で祝砲撃つなよ!」と。あれ、下手したら死人出ると思うんですが・・・。


それから、戦争が終わってから、その後をあっさり描いていたのも、ありがちではありますが、なかなか良かったです。さらっとながら、戦争の哀しさみたいなものが出てた気がします。


しかし、実質的な戦闘がなかったにせよ、やはり戦争というのは極限の緊張をもたらすものであることに間違いは無いなぁと感じました。他にも、いろいろと考えさせられましたし、凄く興味深い映画であることは疑いの余地がありません。良い映画です。

やりすぎ

彼らが実戦に赴く前にしていることといえば、マスを掻く事が一番多かったみたいです。ひたすらひたすら。他にやることないんかいと突っ込みたくなるくらい。ていうか、あの単語が出すぎです。


全く別の話ですが、主人公は右利きだったと思うのですが左手でやってましたね。劇中でもそういう話題がちらりと出てましたけれども、彼のこだわりだったんでしょうか。どうでもいいですね。けど気になったんです、わっはっは。


***追記
軽く追記あり。 2006.02.18 23:26

*1:当たり前っちゃ当たり前

*2:だったかどうか、もう覚えてないんですが、そうであってほしい気もします