県庁の星

一言で言えば、『織田』です。
フジテレビと、織田裕二、そして映画。これが組み合わさった時出来るものをイメージしてください。
そう、そのとおりの映画です。期待していたら裏切らない、期待していなければそれなりに。

県庁の星
原作があるらしいのですが、そちらは未読です。おそらく今後も読まないと思いますが。


では県庁の星について、少しご説明を。


ジャンルは、『織田映画』です。それ以上でも以下でもない。織田裕二を楽しみたいなら間違いない。そういう映画です。


短すぎる気もしますが、これでバッチリな感じもします。
もう少し説明すると、某県庁に勤める織田裕二が、官民交流によってスーパーへ出向し、そこで紆余曲折あり、織田(と周囲)が変わる。という、まったき織田ストーリー。
この映画化の予告を劇場で見たとき、こういうストーリーなんだろうなと予測した、ほぼそのまんまの内容。私は織田好きなので楽しめましたが、原作好きな方なんかがどう思われるかは全くの謎です。


しかし、本当に織田は堪能できました。
彼の演技はとにかく毎回熱い。巧い。いつも真剣で、そこが好きです。
いつも一緒とか言わない、そこ!
似たような役柄ばっかじゃんとか言わない!駄目だ駄目だ!
湘南爆走族から見直しなさい!
すみません、少々取り乱しました。


私のこの映画に対する少ない知識では、たしか柴咲コウ(しばさき・こう)さんの役柄は映画オリジナル設定らしいのですが、普通ならば原作いじりすぎだとか批判の出そうな項目ですけれど、これについてはむしろ良かったんじゃないかと思います。少しは女っけが無いとちょっと暑苦しすぎる。織田が強すぎますから。柴咲さんはかなりそれを和らげる意味合いでよかったかなと思います。
キャストは他にも、益岡徹(ますおか・とおる)さんだとか、渡辺哲(わたなべ・てつ)さんだとか、どこかで見たような方がいて、なんとなく懐かしい気分にさせられましたし、奥貫薫(おくぬき・かおる)さんが相変らずお美しかったので大満足です。
後はストーリーなんですが、公務員およびスーパー内幕物という見方も可能ですが、基本的に織田映画ですので、その辺はまぁスパイス的なものですね。とにかく、織田。清く正しく織田らしい。そんな映画です。


ともかく、織田好きなら言われなくても見るでしょうから、私からはこれ以上言うことがありません。私は楽しみました。はい。
あ、あと、今回の織田をみて、ようやく(自分の中の意識からも)青島*1が抜けたかなという印象は受けました。おそらく本人も気にしていたところではあると思いますし。


あとはちょっとストーリーに言及します。


結局のところ、県庁というか公務員(組織)の改革と言うのは相当程度困難だと、一応そういう描かれ方はしていたような気がします。老獪というか、組織力と言うのは個人の力でどうこうできる物ではありませんからね。あれは本当に強いと思います。


お役所言葉なんていうのも、本当に凄いですよね。
あれは確か積極的肯定だとか、行動とかそういうアクティブな文言が無かった気がします。私が聴いたことが無いだけかもしれませんが。相当程度後ろ向きな言語だと思います。
たとえば、可及的速やかに対応する=できるだけ早くやります→そのうちやります とか。
前向きに検討します=前向きに考えます→考えるけど決定は覆らない とか。
公務員ていうのはどれだけ責任の所在を曖昧に出来るか、新しいことを起こさずに前例踏襲でやれるか、仕事を増やさないか。というのがお仕事だと言う認識です。私は。
まぁ、かなり偏見もあるかとは思いますが、間違ってるとも思いません。
だからこそ、今回みたいな新規事業はみんなやりたがるんだろうなぁと思ったりはします。
普段がかなり地味な仕事だから、華々しいことやりたいですよねそりゃ。出世っていうのもあるでしょうし。


映画の話に戻りますが、織田ですらというか、織田一人ではいかんともしがたいほどの組織なわけですね、公務員って。スーパーが変わっていったようにはいかない。
一旦全部ぶっ壊すしかないのかなぁなんて思ったりもしましたが、どうでしょうねぇ。
現実は厳しいもんなんでしょうかね。

*1:都知事と同じ名前の青島俊作踊る大捜査線の主役