クラッシュ

というわけで、ほんの少し足を伸ばしてみてまいりました、『クラッシュ』です。
アカデミー賞効果か、結構人の入りが良かったように思えました。私もその一員であります。
うーむ、我ながらミーハー。


で、映画のほうなんですけれども、期待にたがわぬ出来で、「ああ、いかにもアカデミー賞とりそうよね」といった印象を受けました。面白かったです。スカッとする内容ではありませんけれど、いろいろと考えさせられちゃいました。


今更ですが、『クラッシュ』について少々ご紹介。
ミリオンダラー・ベイビー』の脚本を努めたポール・ハギス監督・脚本によるアメリカ映画で、先ごろアカデミー作品賞を受賞。アメリカにおける人種差別をテーマにした、人間ドラマであります。
出演は、サンドラ・ブロック(さんどら・ぶろっく)、ドン・チードル(どん・ちーどる)、マット・ディロン(まっと・でぃろん)、ブレンダン・フレーザー(ぶれんだん・ふれーざー)他の皆さん。誰が主演かよくわかりませんが、おそらくドン・チードルさんでしょう。私が彼をはじめて認識したのはERで難病を患った研修医をやっていた時ですが、結構いろいろとご出演なさってらっしゃるんですね、最近でも『ホテル・ルワンダ』等に主演なさってて、最近とみにご活躍です。巧い役者さんですね。あとは、サンドラ・ブロックさんと、ブレンダン・フレーザーは久しぶりなかんじでした、特にブレンダンはちょっとお太りになられたような・・・。もともとがっしりした方ですけれどね。


こんなかんじかな。
いや、本当に凄い脚本だなぁと、感心してみてました。
色んな登場人物が出てくるんですが、それぞれが係わり合いをもってきたり、伏線が回収されたり。2時間足らずの中に様々な話がまとまっています。
もとより、映画っていうのはそういうものではありますが、実に映画だなぁと感じた次第です。


テーマは人種差別なんですけれども、色々な人種が出てきます。
アメリカは人種の坩堝とはよくいったもので、英語が通じない人もアメリカ人として生活しているし、文化背景や、生活様式なんかいろいろと違う。差別は日常なのかもしれません。
私は、彼(彼女)らは気にしすぎているだけなんじゃないかなぁなんて思ったりもしたんですけれども、やっぱり、そういう日常に暮らしていると、差別に敏感になるものなのかもしれません。というか、むしろ私が鈍感なだけか。
差別をしている側とされている側で意識が全く違ってたりという状況もでてきたり。いろいろな差別とそれに根付いた事件が起こってお話が進んでいきます。見ていてかなり考えさせられるものはありました。


といったわけで、サッパリした映画ではありません。むしろ重めです。
いかにも賞を獲りそうな映画といった感じではありますが、面白かったです。


以下、かなり内容に触れてます。

特に伏線とかいろいろ

赤い箱は、あれはアメリカの人ならすぐにわかったんでしょうかね。
私は、無事だったのを見て、ああそういうことだったのかと気付いたんですけれど。
あとは、弟さんは彼だったんですね、てっきり出てこないんだと思ってましたが。
色々と繋がってまとまってましたね、テーマ的にも賞を取るのも納得な気がしました。


二人の刑事の話は、あれは差別がどのレベルで起きるかと言うことを示していた気もします。
ベテランの方は、表面的には差別主義者の酷い奴ですが、根っこの部分ではやっぱり正義感のある刑事なわけです。対して、若い刑事の方は、一見差別を嫌っていたけれど、結局根っこの部分では差別的意識があった。と。
差別がどこから発現してくるか、ということで、「根っこ」というのがキーワードだったかもしれません。


それにしても、映画はいいですねぇ。
今日も予告編みてるだけで、これもみたい、それもみたいという気分になってきました。
いやー、映画って本当に素晴らしいものですね、それではまた。