マリア様がみてる 6 (マーガレットコミックス)

マリア様がみてる 6 (6)

雨に降られて、ふらりと立ち寄った本屋さん。
ふと漫画コーナーへ足を向けると・・・漫画版マリみて新刊!!
ああ、これが運命と言うものなのですね、神様。
なんてことを思ったかどうかはさておき、漫画版マリア様がみてる6巻を購入してまいりましたchamberです、皆様ごきげんよう


しかし、大分長いこと待ちました。約7ヶ月とちょっとですか。
そろそろだとは思っていたんですが、長かったなぁ。


今回の帯文は、「祥子さまがいればそれだけで満足です―――・・・。」
私も祥子さまがいればそれだけで満足です!
いつもは、アニメ版の声優さんの文だったりするので、今回は祥子さま役の伊藤美紀さんなのかなと思ったら、どこにもそういうことは書いてなかったので、きっとこれは祐巳ちゃんの心情を表した文章なのだろうなと思います。
表紙絵は、1年生(漫画版現時点)トリオの三人。なんかすっごい可愛いです。
そういえば、長沢先生の絵は結構不安定だなぁと思ってたんですが、さすがにここにきて安定してきた感じがしました。
今回の絵が一番可愛かった気がしますが、可愛い分にはまぁ問題無いので全然オッケーです。


今巻の内容は、小説本編で言うと『ウァレンティーヌスの贈り物(後編)』分です。
「ファースト デート トライアングル」と、なんとなんと、「紅いカード」も漫画化されてます。鵜沢さん好きの私は大満足。
ただ「紅薔薇さま、人生最良の日」の方は非常に残念ながら漫画化されていません。
本当に残念です、好きなエピソードなんですよね、あれ。数少ない蓉子様視点のお話ですし。
紅いカードの方が漫画化されただけでもよしとするべきでしょうか。期待してたんですけれどね・・・



「ファースト デート トライアングル」は、前回のバレンタインイベントの続きですが、冒頭から由乃さんが可愛すぎます。
これがツンデレか!といわんばかりの反応を見せてくれて大変満足です。
この時の祐巳ちゃんは物凄くストレートなんですよね・・・。これが今(小説本編の現時点で)出せていればと思わないではありません。
そして、祐巳ちゃんと祥子さまの初デートになるわけですが・・・
やっぱり笑ってしまいました。
微笑ましいっていうのもあるんですが、やっぱりここは祥子さまのお嬢様、箱入り娘っぷりを楽しむべきところだと思います。
ファーストフード店がはじめてで、注文の仕方も食べ方もわからない辺りでやっぱり笑ってしまいました。
今回はかなり演出がコミカルな感じがしました。楽しいところだからあえてそうしてるのかも。
そういえば、今回読んでやっとというかとうとうというか気付いたことがありました。
祥子さまが美冬さんを忘れていた理由がわかりました。
物凄く今更だったんですが・・・。
祥子さまは幼稚舎で結構な苦労をされてて、事あるごとに生活を改善していって、それこそ熱を出すほど頑張っていらっしゃったわけですが、祥子さま曰く

・・・・・・今思えば
熱出すほど無理してやることじゃなかったわね
そのせいかしら
あの頃のことはあんまりよく覚えていないの


それでか!
早朝、低血圧でボーっとしていたのならともかく、そうでもないのに何故忘れていたかというこれは伏線だったのかと。
思い当たったわけです。
まぁ、10年も経っていれば普通に忘れそうではありますが、どうでしょうね。


そして、このエピソードでは変装(になってない)三奈子さまや、蔦子さんもでてきてまたまた満足。


しかしなんと言っても、超あまあま、ベタ甘の紅薔薇姉妹が見れてでっかい満足です!
いやー、やっぱりこの辺はいいです。
というか、祥子さまと祐巳ちゃんあってのマリみてだなと再確認。
やっぱりそうですよ、これです。うんうん。


そして、黄薔薇組では田沼ちさとさんもでてきます。
可愛い人だなぁ・・・。なんかイメージと違った。


白薔薇組は志摩子さんと静さま。
やっぱり静さま良い人だなぁ、好きです。
静さまは、聖さまがもしいなかったら私たち(静さまと志摩子さん)が姉妹になってたかもといったことをおっしゃるわけですが、私としては、栞さんがいなければ、もしかしたら聖-静-志摩子白薔薇姉妹が・・・なんて考えちゃいます。
ただ、そうなると、聖さまは昔の聖さまのままだったかもしれないわけで、やっぱり無理かなと思うと、人生はままならないもんだよなぁと。
そういえば、ここで志摩子さんは例の件について、「私の心の闇」とまで言ってるんですが、あとにして思うとやっぱりそこまでのことかなぁって思っちゃいますよね。まぁ、それだけ真面目で思い込んじゃう子ってことなんでしょうけれど。


しかし、「ファースト デート トライアングル」だけでこれですよ、中身が凄く濃い。
小説本編ではこれに「紅いカード」と「紅薔薇さま、人生最良の日」まであるんだから凄いってもんじゃない。


で、「紅いカード」の方ですが、私はおもいっきり鵜沢さんに感情移入してしまいます。物凄く気持ちがわかる。
しかし、幼少の祥子さまがかわいすぎる・・・
こんな完璧超人みたいな子がいたらそれは心を奪われて当然です。
ブランコの件が微妙に変更されてた気がしますが、ん〜、ここは変えないでそのままでよかったんじゃないかなと思うんですがどうなんだろう。原作では、祥子さまは美冬さんが規則を破ったことに呆れていたということになっていて、子供ながらに道徳心の強さがわかるエピソードになっていたわけですが、その辺が微妙に変わってます。毅然として、かつ冷静なところはかわってないのであまり気にするほどのことでもないのかもしれませんが、逆にささいなことだから気になっちゃうところはあります。
美冬さんは、イベント時温室で祐巳ちゃんと会い、そして敗北感を感じるわけですが、私はそこで、そこまで敗北感感じることはないんだと、祐巳ちゃんも、教えてもらうまではロサキネンシスが植えられていることはしらなかったんだよと思わず教えてあげたくなるんですよね。それはしょうがないと思う。けど、これがきっかけで美冬さんも変われたとすれば、それでよかったのかもしれません。美冬さん再登場しないかなぁ。多分しないでしょうが。結構好きなキャラです、鵜沢美冬さん。


それにしても、このエピソードはマリみての最大の特徴である同時期多視点を最大限生かしたエピソードですよね、読んだ時はすごく感動というか感心しました。「紅薔薇さま、人生最良の日」の方も同様のエピソードなのでやっぱり漫画化して欲しかったんですけれどね・・・。
ただ、こういうことがあったから、今の原作の方にも期待するところはあるわけです、「きっといつかは瞳子ちゃんの気持ちが語られるんじゃないか」と。それを読めば大分すっきりするはずなんですけれど・・・現状むずかしそうだなぁ。


それにしても、すっごく楽しめました。長沢先生も頑張っていらっしゃいますね。原作全漫画化に向けて頑張っていただきたいなと思います。