出口のない海

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というわけで、今日見てまいりましたのは『出口のない海』であります。


この映画に関しては、特に前情報も入れてなかったので、人間魚雷回天を扱った映画だということしか知りませんでしたが、珍しいなと思ったので、これは見てみようかなと思ったわけです。


出口のない海』について軽くご紹介をしておきたいと思います。
出口のない海
原作:横山秀夫(よこやま・ひでお)、監督:佐々部清(ささべ・きよし)の半落ちコンビ。
主演は市川海老蔵(いちかわ・えびぞう)、他に伊勢谷友介上野樹里さんなどが出演なさってます。


久しぶりに見たのが伊崎充則(いさき・みつのり)さん。いい演技なさってました。
主役の海老蔵さんも、なかなかよかったとおもいます。当時ならああいう人もいたんじゃないかなと思わせる風貌ですし。
今回はキャスティングがなかなか渋めでよかったかもしれません。違和感は感じませんでした。
それから、主人公の妹役の尾高杏奈(おだか・あんな)さんも可愛かった。


内容は、太平洋戦争末期、人間兵器として開発された人間魚雷回天にのる青年を主人公に、人間兵器の哀しさを伝える物語です。学生である主人公並木浩二(なみき・こうじ)が、海軍に志願し、その後新型兵器の搭乗員(=回天搭乗)に志願。
回天の操縦について厳しい訓練を行い、実際に戦場に出て、回天が発射されることになる。
そういった感じのお話です。


いや・・・当然と言えば当然なのですが、哀しいお話でした。
ただ、驚きました。
特に物語の展開にびっくり。


後で書き足します。少々おまちください。


今日中に書こうと思ってたんですけど所用で書けずに間に合いませんでしたね。


で、映画のほうなんですが、ほぼ予想していたとおりのお話で進んでいきました。
ただ、戦争の哀しさというよりは、むしろ兵士の哀しさの方がクローズアップされていた印象はあります。
どちらにせよ、嫌なものです。いつ、どの戦争映画を見てもそういう感想はもっちゃいます。


哀しい部分は数多くあるんですが、兵士に視点を置いて考えると、まず、回天搭乗兵は自分が死ぬことを前提に、死ぬ為の方法を学んでいるというそこでまず哀しい。よく正気を保てるなぁと思います、私には無理だなと思うんですが、時代がああだとそういうふうになってしまうものなんでしょうか。
そして、戦場に出てからも、回天発射準備の時の兵士の覚悟たるや、もはや想像を絶するものがあります。
そもそも、戦争ですから、死ぬこともある程度覚悟しているんだとは思うんですが、人間魚雷回天は確実に自分が死ぬことを目標にしているわけで、覚悟の質が全く違うだろうなと思いますし、そういう必死さが伝わってきました。


とまぁ、普通の戦争映画っぽく思われるわけですが、一筋縄では行かないシナリオだったんですねこれが。


普通だと、戦争がおき、大きな犠牲が払われ、戦争って哀しいね。とそういった感じです、どんな映画でも骨はこんな感じだと思いますが、これは少し違ったと思う。
この映画の劇中、主人公は野球の選手で魔球の開発が夢だと、そういう話があるんですが、これはある意味伏線になってたのかもしれないなぁと。ストーリー自体が魔球のように変化したような印象を受けました。
いや、といっても予測範囲内ではあるかもしれません、特に回天がどういう兵器かご存知の方は・・・いやそれにしたってあれはちょっと無理かもなぁ。


主人公が、物語の終盤、「自分は回天という兵器がが存在したことを後世に伝えたい」といった感じの発言をするんですけれども、まさにそのとおりの結末を迎えました気がします。
こう言う兵器が存在することの馬鹿馬鹿しさを、強く見た人の胸に刻み付けることと思います。
そもそも、戦争自体非人道的かもしれませんが、特攻兵器なんてものを作っちゃ駄目だろうと思います、私は。
そんなもの作る軍が勝てるはずが無いとも思います。


それにしても、哀しい、哀しすぎる話でした。
なんとなくですが、見終わった後クドリャフカのことを思い出しました。
あと、エンディングにかかる竹内まりやさんの『返信』が哀しむ人の心に染み入ると思います、いい歌です。


楽しめるというと語弊がありそうなんですが、いい映画だったと思います。


***追記 2006.9.17 00:55