マリア様がみてる 26 クリスクロス (コバルト文庫)

マリア様がみてる (クリスクロス)


いや・・・本当に凄く興奮してましたよ。読んでる間中。
読み終わった後も、尾を引いてます。
すっごい面白かった。
近刊、いや、ここ10作くらいでは一番おもしろいと間違いなく断言できます。
全体を通してもかなり上位の面白さです。
冷静になったらまた変わるのかもしれませんが・・・たぶん変わらないでしょう。
読んでいて、頁を括る手ももどかしいという感じで、途中何度も悶えつつ、しかも何度か本を床に叩きつけ*1ながら読み勧めていました。
ちなみに、床に叩きつけたのは、内容に不満があるからではなく、あまりに興奮してしまって、それ以外に自分の感情を発散させる手段が無かったからです。つまり「もう、たまらん」といった感じの状態でした。本当に一人で読んでてよかった。


ともかく、とてつもなく面白かったことは間違いありません。
近刊を読んでいない方にも自信を持ってお奨めできます。読まないともったいないですよ。
そのくらいの内容。


では、読み返しつつ、感想書いていこうかと思います。
お時間ございましたらよろしくお付き合いください。


表紙は2年生トリオ。
この三人は絵になります、素敵。


登場人物紹介に、またも可南子ちゃんがいなくなっているのを確認しがっくりしつつ本文へ。
今回目次は読み飛ばしました。
もどかしいと言うのもあるし、ある程度先が見えてしまっては面白くないというのもあったからです。


で、本文。
偉大なるマンネリ いつものイントロ。
クリスクロスって、地図上につける×印を指してたんですね。

クリスクロス

今回はバレンタインイベントから。
前回の盛り上がりからの引き続き。
去年のイベントのときのように、祐巳ちゃんが朝からカードを隠すのかなぁと、ああ、祐巳ちゃんも当然チョコレートもらうがわになるよね、なんて思ってたら・・・
桂さん大登場!キター!台詞付きだー!
早くも私の頭の中は祭り状態。びっくりしました。
台詞付きなんて何時以来だろう、今野先生も忘れてたわけじゃなかったんですね。


この件はこのくらいにして、まず最初の盛り上がりは、祐巳ちゃんと祥子さまのラブラブっぷりです。
祐巳ちゃんが祥子さまにチョコレートを渡すわけですが、これがもうたまらん!(バシーン*2)わけですよ。
頁を開いたその絵のインパクトと言ったらありません。照れてる祥子さまがかわいすぎて、もうたまらん!
はっきりいって、もう悶えました。もう抱きつきたいと、心の底からそう思いました。祐巳ちゃんもよく我慢したものです、えらい。
それにしても、今回は祥子さまがチョコレートを用意すると言う、なんと言うことか!
祐巳ちゃんの果報者め!軽く嫉妬します。
と思ったら、ここで追い討ちをかける情報が。
私にとっては、あまりにも衝撃的だったので引用します。

「幼稚舎の頃、引越ししてしまったクラスメイトが、お別れの日にくれたチョコレートなの。その子の顔も名前も、もう忘れてしまったけれど。その時もらったチョコレートの味だけは、ずっと忘れなかった。それで、時々思い出しては同じ物を求めたりして」

ここまで読んでこられた皆さんなら、わかりますよね?
うん、そう、これはあれです、『紅いカード』の鵜沢美冬さんのことですよ!祥子さまちゃんと覚えてたんですよ!
はっきり言って、私泣きかけました。
まず、祥子さまがちゃんとこの事は(顔も名前も忘れてるのは祥子さまらしいとして)覚えていたことに感動して、そして、もうひとつは、今野先生がちゃんとこの事について伏線を引いていた件*3について。もう、衝撃なんてもんじゃなかったですよ。
気付いた瞬間、新刊を閉じて、ウァレンティーヌス見ましたもん。ちゃんと書いてありましたよ、やっぱり。

「でも、お母さんが返しなさいって」
それから私は、母が持たせてくれた小さな包みを祥子さんに突き出した。
「何?」
「チョコレートだって」
「チョコレート?」
「お礼だって」

ね、これです。
しばらく、打ちのめされて本読めませんでした。
大感動ですよ。掛け値無しで震えてたかもしれません。その位の衝撃。
いや、私も美冬さん好きなので、かなり嬉しかったんですよ。このことを美冬さんに伝えてあげたいと、本当にそう思いました。けど、祥子さまが名前はともかく、美冬さんのことを覚えていたことに感動しました。本当に良かった。やっぱり美冬さんは、怖がらずに、逃げずにちゃんと祥子さまと話をすればよかったのに、なんて思いました。


で、まぁ落ち着いてから読書再開。


ともかく、その美冬さんから受け取ったのと同じチョコレートを祐巳ちゃんも受け取って感動したわけです。


次は白薔薇姉妹のチョコレート授受。ここも甘甘姉妹です。
ここでは、その辺の様子よりも気になったところがあって、志摩子さんの聖さまへの三人称が「聖さま」だったところです。

階段を上りながら、志摩子さんが笑った。
聖さま、今ごろきっとくしゃみしていらっしゃるわね」
聞いている者がとろとろになっちゃうような、甘い声で。

これ、志摩子さんの台詞ですよね?これって「お姉さま」でよくないですか?それとも、卒業されたからとか、乃梨子ちゃんへの遠慮とか?うーん、志摩子さんはそういうこと考えなさそうですけれど・・・。単なる勘違いなんでしょうか。やや気になります。
乃梨子ちゃんの反応がいちいち可愛いのでどうでもいいことなんですけれどね。


真美さんと日出美さんの姉妹。
いつも、今野先生が書かれているように、姉妹のかたちもいろいろなんだなと思わされるシーン。
いつもテキパキしている真美さんが、ガチガチというか、人形のようになっているのが笑えます。


蔦子さんと笙子ちゃん。ここは姉妹ではありませんが似たようなもんです。
しかも、笙子ちゃんからのプレゼントがフィルム。わかってる子だなぁ。感心します。


続いて、一年椿組。
乃梨子ちゃんと瞳子ちゃん。
なんか瞳子ちゃんが元に戻ったらしく、拍子抜け。つくづくツンツンした子です。
またも停滞するのかと思わせておいて、颯爽と現れた祥子さま。さすがは我らが祥子さま、紅薔薇さま!です。
瞳子ちゃんを見事な手腕で挑発する祥子さまですが、ここの台詞にもかなり感動させられました。
まとめると、「祐巳ちゃんと向かい合うのは、自分の弱いところを突きつけられるようで怖いことだけれど、好きだから一緒に居るんだ」といったところ。自分の嫌なところもみとめて、自分を変えることも厭わない、そんな祥子さまが私は大好きです。それに、祐巳ちゃんが好きだという言葉が聞けてもう大満足です。たまりません。
そして、孫のことを考えるのは楽しくも寂しくもあるともおっしゃっています。つまり、祐巳ちゃんを挟んで闘う気満々といったところ。そう言うシーンを考えるだけで楽しくなってきます。
挑発に乗っかった瞳子ちゃん。そうこなくっちゃね。
この瞳子ノリノリである。そんなかんじがみてとれます。


時間は放課後へ、15:40。とうとう、イベント開始です。
薔薇の館の2階から中庭を見ていた由乃さんが瞳子ちゃんを発見するところで挿絵。2年生トリオ揃い踏み。


乃梨子ちゃんはなんとお手伝いでイベント不参加。意外。
てっきり白薔薇乃梨子ちゃんが見つける展開かなんて思ってたのに。
(ちなみに、黄薔薇は田沼さん、紅薔薇瞳子ちゃんで決まったようなものだなぁと思ってました。案外当たるもんです)


イベントが始まってからの祥子さまの行動がまた良かった。
正直言って、金魚の糞を連れまわして走り回るようなお姿も拝見したかったのですが、やっぱりあれこそが祥子さまだと思わず納得させられてしまいます。それにしても、ここでまた痺れる台詞が。

今は待っているのよ、と祥子さまは祐巳を見ていった。
紅薔薇のつぼみがボロを出すのをね」

わーっ!バシーン(二回目)
さすが祥子さま、祐巳ちゃんを熟知してます。感動です。
祥子さまが祐巳ちゃんへかけるプレッシャーたるや並ではなかろうと思われます。


所々で現れてくる、白薔薇カードのヒントですが、はっきり言って全くわかりません。色々と考えては見たんですが・・・私の能力では無理のようなので、ここは潔く諦めたい。
といいつつ、最後にちょこっとまとめて書くつもり。


次のシーンに移って直ぐの描写で、紅いカードのありかはわかりました。やっぱり祐巳ちゃんはわかりやすい。


その次に現れたのは田沼ちさとさん。懐かしい名前ですが、出てくると思ってました。
去年のバレンタインイベントの勝者は二人。蟹名静さまと、田沼ちさとさん。そのうち静さまは海外ですから、現時点でディフェンディングチャンピオンは、ちさとさん一人。でてこないわけがありません。
実際のところ、今回は中等部生はでてこれなさそうなので、有馬さんの芽は難しそうだなぁと思っていました。それでも全く無いとは思いませんけれどね。どちらかと言えば、同じ剣道部員となった上に、去年令さまともデートしているちさとさんの方がありそうだなぁと。そして出てきた。私の中ではこの時点で黄カードの発見者は確定しました。それにしても、ここの記述といい、発見して薔薇の館に現れた時と言い、去年の描写からは考えつかないような大物ですね、ちさとさん。思いのほか肝太い人です。さすが剣道で鍛えられただけあるといったところでしょうか。由乃さんとのデートが楽しみです。


酷いのは令さまです、ちさとさんとデートしてた事忘れてるんですもの。祥子さまより酷い。
令さまが由乃さん大好きなのはわかりました、が、由乃さんが酷い。誰にも見つからないところを選び抜いてあんな場所に置いた(貼り付けた)わけですからね・・・。令さまが少し可愛そう。


ちさとさんの放浪の途中、瞳子ちゃんが社会科準備室に入っていくのを発見しているわけですが。少し驚きました。「あれ?まさかそこなの!?」みたいな。
言われてみれば白地図つながりだし、ありえなくは無いわけで、これは予想はずしちゃったかなぁとか思っちゃったんですが。私も祐巳ちゃんを見くびっていたようです。やっぱりそうだよね。
ここでは、トイレにいったと思わされていた乃梨子ちゃん登場シーンで、またも乃梨子ちゃんが泣いちゃってます。よっぽど瞳子ちゃんが好きなんだなぁ、この子は。
その気持ちに応えたのか、気付いたのか。決心した瞳子ちゃんはなかなか良かった。


直後令さまが黄色いカードを手に薔薇の館に現れた時は、「そんな馬鹿な!」って感じで驚きました。いくらなんでもそんなわけは無いはずなのになんで?みたいな。
結局誤解だったわけですけれども、ここで令さまを罵倒する由乃さんがやっぱりいい。
貯めがまた良いです。
それにしても、失礼な話ではあるんですが、意外だったのは、由乃さんファンがいた事です。
(物を投げないでください)
いや、『妹オーデション』以来、妹候補も途絶えたと言うか、学内から由乃さんへの幻想が無くなってたのかなと思ってたんですが、案外そうでもなかったんですね。由乃さんを見くびってました、ごめんなさい。
今度こそ、って感じは無くもないですけれど・・・
いや、私は大好きですよ、由乃さん。ほんとに。
市販のチョコを溶かして固めるその中に、色んな種類のチョコをそのまま入れたというスペシャルチョコレート!実に由乃さんらしい豪快さで素敵です。欲しい。
この話を聞いた時の祥子さまの反応がまた面白かったんですけどね。
このあたり全部(アニメでの)お声が聞こえてくるような臨場感で楽しかったです。


一連の由乃さんの反応がもう楽しくて仕方なかったです。かーわいいなーもー。
参加者を悔しがらせたい一心で知恵を振り絞るそういうところが大好き。


祥子さまの洞察力たるや、さすがは祥子さまといったかんじで、脱帽です。
志摩子さんのカードの場所を当てるのみならず、祐巳ちゃんのカードも場所を見抜いたようで、しかも、その時の祥子さまの台詞がもう凄い祐巳ちゃんへのラブコールで、まったくもってもうメロメロです(私が)。やっぱり祥子さまは最高です。


16:35。祥子さまの宣言した終了五分前。とうとう祥子さまが動いた!なんて存在感、威圧感!怖いくらいだ。
そして、このまま祥子さまがカードを発見するのか(よし、これでデートだ)と思ったところで、すっかり忘れてた(失礼)瞳子ちゃんがドスドスと音をたてて登場。そしてまさに超怒級の衝撃発言。


いや・・・ほんっとーにびっくりしました。まさかこんな形で決着が訪れようとは。
正確に言えば、その発言直後にカードが誰か*4に発見され、真美さんが終了を継げて次巻へ引いたため、決着はついていませんが、瞳子ちゃんから動いたからには祐巳ちゃんとしても断る理由も無いでしょうし、いいかげん今度こそ間違いないでしょう。とも言い切れないところが今野先生の怖さですが・・・。
ともかく、挿絵の迫力*5とともに凄かった。ここでもうたまらなくなってまたもバシーン(三回目)です。やっぱり3度は投げつけてますね。本当にね、テンションが凄かったですよ、読んでる時の。爆笑して凄い勢いで読み進めて、バンバン投げつけて、悶えて転げて。本当に面白かった、楽しかった。こんなに面白いものが他にあるの?と自問しながら。凄いのひとことしか出てこない自分が哀しいですが、凄かったです。


しかし、瞳子ちゃん、思い切ったもんですね・・・。感慨深い。本当にここまでどれだけ時間かけたんだっていうくらいのびのびでしたし。あれだけ頑なだった子が自分から妹にしてくださいとか言っちゃったわけですからね。
いつだったか、瞳子ちゃんは由乃さんとキャラがかぶると言う記述を見かけた気がしますが、本当にそうだったわけですね。だって、妹側から、自分を妹にしてくださいなんて、由乃さん以外に言う人が居るとは思いもしませんでしたし。その由乃さんとても、もともとは姉妹だったわけで、まったく姉妹関係の無いところからだと、まさに前代未聞の出来事なわけで、ああ、さすがは祐巳ちゃん、伝説作っちゃったなぁと、そう言う意味でも感慨深い。
ここまできて、まだひっぱる今野先生のSさも好きです、私は。どうなるんだろうなぁ〜。楽しみでしかたありません。
うんうん・・・。いやー、いいもの読ませていただきました。


と、満足してましたら、まだ続きが。
時間を少し遡ったお話です。

地図散歩

隠す側の三人が、地図上を歩き回って隠し場所を探し回ると言うお話。
『クリスクロス』でのネタ明かしをしつつ、最後まで謎を残して引っ張ると言う今野先生らしいお話です。
ここでは、由乃さんの隠し場所が決まる経緯なんかもかかれてますし、去年の思い出なんかもでてきて、楽しかったです。


乃梨子ちゃんが社会科準備室に現れて、白地図のことを言い当てた経緯もばっちり。エスパーというわけではなかったにしても、感が良いのは間違いない。あのタイミングであそこに現れるのはすごいよ乃梨子ちゃん。


祐巳ちゃんのカードに関してはあっさり決まった感じですので、おいておくとして、残る謎は志摩子さんの白いカードの場所と、それを見つけた人がいるかどうか、です。

白いカードのありか

ぶっちゃけ、わかりません。


終了


では、あまりにあまりなので、出てきたヒントだけでもまとめて、いつか暇になったら考えてみようと思います、次巻がでるまでは、まだ時間もあるでしょうし・・・なんていいながらあっという間に次が出そうな気もしますけれど。


で、ヒントですが、本文中から発見できたのは7つのうち6つ。

「ま」
「る」
「た」
「く」
「の」
「(ウサギのイラスト)」

です。
『地図散歩』での乃梨子ちゃん発言を信じれば、ここに1文字(or1つの絵を)足して、並べ替えれば答えが現れるはずです・・・が、わからん。
「ウサギたちのくるま」とか「たくのまるいウサギ」とか、訳の分からないフレーズしか浮かびません、助けて!


むしろヒントが無いほうが、とか思わないでもありません。
私としては、志摩子さんの言い方と文中の記述を考えると、校門(の内側)かなぁなんて思ったんですが。ただ、それだと由乃さんとかぶると言うか。ヒントとも合わない気がするし、やっぱりちがいますよね・・・。うーん。
学校の中で変化のある場所・・・どこだろう。


まぁ、この辺に関しては後の楽しみに取っておきたいと思います。
はっきりいって、今巻は、それどころじゃなく楽しすぎました。もう満腹です。
負け惜しみじゃないんだからね!楽しみをとっておいてあげてるだけなんだから!
今日はツンデレ風味をばら撒いて逃げます。

ああ、面白かった

面白かったですよ、本当に。あとがきで今野先生が書かれているとおり、『クリスクロス』・『地図散歩』ともに、おもいっきり「おあずけ」食らった状態で正直たまらないものがあって、こんなに次巻が楽しみなのは本当に久々で明日にでも見たいくらいです。できれば今からでも良い。
先が楽しみだし、楽しかったし、やっぱり『マリア様がみてる』は素晴らしいなと、あらためて感じた一日でした。
今野緒雪先生、本当にありがとうございました。


ちょこっと疲れました、テンションあげすぎてへとへとです。
書き足りないことが一杯ある気がするんですが、あとから書きたくなったら書き足します。
といって結局書かないのもいつも通りか。


ともかく、本当に、本当に楽しかったし嬉しかった。良い日になりました。
皆さんに感謝をささげます、ありがとう。
そして、また。
ごきげんよう

*1:誇張表現でなく実際に・・・

*2:床に叩きつけた(一回目)

*3:たとえ後付けだったにせよですよ

*4:瞳子ちゃんか祥子さまの二択と思われますが、たぶん瞳子ちゃんなんでしょうね

*5:祐巳ちゃん曰く「なまはげ」だものなぁ