犬神家の一族

どうもどうも、昨日は興奮しっぱなしでお恥ずかしいところをお見せしたchamberです。
さて、今日は特に有馬とM-1以外に見るものもありませんし、昨日見た映画の感想でも書いておこうかと思います。


まず、1本目は『犬神家の一族』です。
犬神家の一族』は、市川崑(いちかわ・こん)監督による日本映画で、1976年に市川監督自身により映画化されている同名作品のセルフリメイク作品です。
原作は横溝正史(よこみぞ・せいし*1)の同名小説。
信州の大富豪、犬神家に巻き起こる凄惨な事件に、探偵・金田一耕助(きんだいち・こうすけ)が挑むという内容です。


実際のところ、正直言って、「何故私はこれを見ようと思ったんだろう」という疑問が、映画を見ている間もずっと沸き起こっていたんですが、結論としては「金田一物だから」というところに落ち着きました。
というのも、私は以前の映画版も、原作小説も読んでいて、内容を把握しているからなんですが、ようするに、金田一好きなのだなと。
私の中で、探偵と言えば、シャーロック・ホームズ金田一耕助です。特に金田一先生は大好きで、解決に奔走するのに最後まで殺人を許した挙句に犯人にまで死なれてしまうような抜けたところが特に好きです。なんというか、親しみやすさというか、人間くささと言うか。そう言うものを感じます。超人的なホームズ先生とは対極に位置する探偵だと認識しています。
まぁ、そんなわけで、好きだから見に行った、ただそれだけなのだなと、見終わったときに気付きました。
映画の内容に関しては、正直殆ど言うことが無いというか、ある意味疑問だらけなのは、「これなら、オリジナル版上映しててもよかったんじゃない?」というくらいに違和感が無いところです。これは、確かに、間違いなく、『市川崑監督の金田一映画』です。特に、石坂さんがそのまんま!
私の金田一のイメージに一番合うのが、今回主役の金田一耕助を演じられた石坂浩二(いしざか・こうじ)さんなんですが、もう、すごいですよ、全然変わってない。前作から何年経ってるのか考えると、もはや異常といっていい*2。驚かないでもらいたいんですが、いや、驚いて全然かまわないんですが、石坂さん、御歳なんと65歳。60代も半ばですよ!それなのに、あの若さはありえないですよ、もうびっくりです。この映画の中で一番驚くべき点はきっとそこです。
映画の内容自体は、全く問題なく金田一物なので、安心して見る事が出来ます。面白い事は保証できます。これぞ金田一という、本当にフォーマットに沿ったかのような見事な作品です。ただ、オリジナル版をごらんになっていたり、内容をご存知の方がわざわざ見るほどかというと・・・正直悩みます。
私は、好きだから見に行った。だけであって、面白い(面白そう)だから見に行ったわけでは全然無いのでなんともいえません。どうなんだろう。
一応、前作との違いはキャスト。あとエログロ残酷表現はやや控えめかなぁ。無いわけではありませんが。血飛沫は飛びますし。それと、ミステリ風味も弱冠薄めかも。いや、これは私が筋を知っていたせいかもしれませんが。


役者陣は、かなり豪華。できれば全員列挙したいくらいですが、主要キャストを書いてみますと。
仲代達矢(なかだい・たつや)さん、富司純子(ふじ・すみこ)さん、松坂慶子(まつざか・けいこ)さん、萬田久子(まんだ・ひさこ)さん、尾上菊之助(おのえ・きくのすけ)さん、葛山信吾さん、池内万作(いけうち・まんさく)さん。加藤武(かとう・たけし)さん、中村敦夫(なかむら・あつお)さん、大滝秀治(おおたき・ひでじ)さん、三谷幸喜さん、深田恭子(ふかだ・きょうこ)さん、奥菜恵(おきな・めぐみ)さん、松嶋菜々子さん。これだけ書いても、まだ書き足りない。豪華すぎです。しかもほとんどの皆さんが演技達者。
知らない人が居ないくらいの豪華キャストですし、懐かしい顔もあります。
仲代さんの存在感がさすがの迫力。
あと、富司純子さんが実にこの世界観にあっていた上に、見事な演技をなさってたなぁと思ったんですが、実子の菊之助さんが息子役ということもあって、その辺もよかったのかなと。菊之助さんの演技自体は、なんとなく歌舞伎入ってるなぁってところもあったんですが、それはそれでよいと思います。
大滝秀治さんが、いつものように大滝さんでさすがだなぁと感心。
三谷先生は、オリジナル版で横溝先生がなさっていた宿屋の親父役としてご出演。
正直、横溝先生の方が巧かった気がするんですが、もしかしたら三谷先生もあえてああいう演技してたのかもしれません。


今作は、金田一役としては、もはや別格の石坂さんが演じられていますし、金田一物好きなら・・・もうごらんになられてるでしょうね。金田一を知らない方なら、「ああ、こういうものなのか」というのもわかるし、良いのかなと思います。

*1:本名は、よこみぞ・まさし

*2:よくよく考えると、オリジナル版のときに既に老けていたってことかもしれませんが