ノーカントリー

http://www.nocountry.jp/index2.html


はい、というわけで、春のミーハー丸出しフェア第一弾は『ノーカントリー』です。
まぁ、この映画の場合、賞をとってなくても見に行ってるはずではあります。


ノーカントリー』は、今年度のアカデミー最優秀作品賞受賞作品、他にも賞を取り捲っている話題の映画です。
監督・脚本は、アカデミー最優秀監督賞・脚色賞受賞のジョエル・コーエンイーサン・コーエンコーエン兄弟*1
血と暴力の国 (扶桑社ミステリー マ 27-1)
コーマック・マッカーシー(こーまっく・まっかーしー)の原作『血と暴力の国』を元にして、コーエン兄弟が脚色し監督したアメリカ映画。
主演はトミー・リー・ジョーンズ。共演は、アカデミー最優秀助演男優賞受賞のハビエル・バルデム(はびえる・ばるでむ)、ジョシュ・ブローリン(じょしゅ・ぶろーりん)、他の皆様。
偶然にも麻薬がらみの大金を発見してしまった男と、追っ手の無茶苦茶な殺し屋、そして地元の年老いた保安官の三者よる逃亡追跡劇であるかのように思われる映画。


で、この映画なんですけれども、正直言って、よくわからない。いや、わかるけど考えないといけない。
謎があるとかいう問題ではなくて、なんというか問題じゃなくて命題というか、はっきり言ってスッキリしない映画なんですけれども、だからこそ心に残るものがあるというかそういう映画です。
やたらめったら謎や伏線をばら撒いて解決を放置する類ではなく、ただひたすら事実をたたきつけてくるタイプの映画だと思います。コーエン兄弟ということで『ファーゴ』に似た感じかなぁとも思います。
「とりあえずこうなりましたよ」と。
だから多分感想も人それぞれというかバラバラになってくるだろうなぁと。
なるほどアカデミー的には受けそうかなぁとか思っちゃいました。


だから、この映画に痛快さ爽快さを求めるのは間違いです。多分そういうのとは対極にある気がします。
私の場合は一応そうなんだろうなぁという予測はありましたからそこまで驚きませんでしたが、その辺を期待しちゃうと多分面食らう展開なのではないかと思います。


主演はトミー・リーという事になってるようですし、実際最後まで見終えるとなるほどそうかなというところではありますが、助演男優賞を受賞したハビエルの凄まじいまでの存在感がインパクト大でした。ていうかオカッパの殺し屋ってだけで怖いのに存在がもう恐ろしすぎる。殺し屋というよりは殺人凶というか傍若無人っぷりが凄い。なるほど賞もとるなぁという演技。


本当に途中まではドキドキ物の逃亡劇なんですけれども、そのまま終わらせるコーエン兄弟ではないということですね。
序盤は見せなくてもいいのにってところまで見せてくるかんじなんですが、終盤に向かうにしたがって見せなくなってくるような印象は受けました。
家から出てきて靴の裏を見る仕草だけで何があったかわからせようとしたり、本来なら描かれてしかるべきシーンがあえて省かれてたり。「みせなくてもわかるだろ?」的なものを感じました。確かにわかるんですけどね。


映画好きには受けそうな気がする映画です。派手に面白いわけではありませんが、地味に面白い映画だと思います。

*1:ジョエルが兄、イーサンが弟