ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

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崖の上のポニョには結構期待してます。連休が始まりましたと言う方も、もはや後半戦だと言う人もごきげんよう、chamberです。


本日は封切り作品が不思議と少なかった*1です。
というわけで、今日はまだ書いていなかった分を消化しておきたいと思います。


ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』は、アプトン・シンクレア(あぷとん・しんくれあ)の『石油!』を原作とした、ポール・トーマス・アンダーソン(ぽーる・とーます・あんだーそん)監督によるアメリカ映画。
主演は、アカデミー賞受賞のダニエル・デイ=ルイス(だにえる・でい=るいす)。共演にポール・ダノ(ぽーる・だの)、ディロン・フレイジャー(でぃろん・ふれいじゃー)、キアラン・ハインズなどの皆様。
1900年前後、アメリカのある石油王の人生を描いた作品です。言ってしまえば、アメリカンドリームの暗黒面みたいな感じもしました。


なるほど、ダニエル・デイ=ルイスの演技は圧巻です。
特に切れたおっさんと化す演技が凄く怖いし、息子に関することと宗教に関しては非常に思うところがあるらしく、稼いでも満たされてない感じがなんともいえません。
また、商人であるという自覚が強いらしく、商売の為なら信念もまげるようなところが凄いなぁと。やはり、成功するにはそのくらいで無いといけないのかもしれません。


また、地主の息子で若い牧師を演じたポール・ダノさんもいい演技でした。嫌なタイプの人間を好演なさってました。物凄く胡散臭い。ああ、こういう手使うよなぁとか思いながらみてました。癒しとトランスがみそです。
多分演出も良かったと思うんですが、彼が出てきたとたんに、「ああ、こいつは鍵になるな」と思わされました。そして実際、この二人の対立が最後まで軸になって話が進むわけです。


2時間半を越える長尺にも関わらず、あまりダレずに見られたのは良かったです。
筋だけ考えると結構単純と言うか、本当に、ある石油王の人生、それだけの話なんですが、人物に引き込まれた感じはします。演技が良かったってことなんでしょうね。


ただ、最後は奇をてらった終わり方ではないんですが、結構驚かされました。
正直、主人公がよくわからない。理解しがたい人物像ではありましたが、それはたぶん、そもそも彼が理解されたがっていない、人間を嫌っているということなのかなぁと思います。哀しいなぁ。


冒頭からいきなり不協和音が鳴り響き、最後までBGMが不穏な感じがしましたが、実際内容も非常に不穏な感じがしました。
ガソリンの値段が世間をにぎわす昨今、石油掘りも大変なんだなと言うことがよくわかる映画です。
なかなか面白かったです。

*1:よくよく考えれば先週まとめて封切られてたってことでしょうか