グラン・トリノ

【ワーナー公式】映画(ブルーレイ,DVD & 4K UHD/デジタル配信)|グラン・トリノ


そして、今週のというか今月のと言うか今年の私の大本命『グラン・トリノ』です。
グラン・トリノ』は、クリント・イーストウッド監督製作主演によるアメリカ映画。
共演は、ビー・バン(びー・ばん)、アーニー・ハー(あーにー・はー)、クリストファー・カーリー(くりすとふぁー・かーりー)などの皆様方。
頑固で口が悪く偏見に満ちた老人が、モン族の隣人と関わるようになり徐々に変わってゆく姿を描いた映画です。


『やっぱり、イーストウッドの映画だった』と言うのが感想です。
なんだろ、ほんとサディストっていうと言い方は悪いんですけど、観客の望む結末は用意しない人だなって思います。それでも好んでみにいく私はきっとマゾなんだろうなぁと思うんですが。


今作はイーストウッド主演ということもあり、とても期待してました。
実際、相変わらず素敵でしたし、巧かった。
今回は古臭いタイプの頑固爺というのが彼の役柄なんですが、それはもう見事に頑固爺でした。しかも偏見に満ちていて、口も凄くとてつもなく悪い。しかしそれでもなおかっこいい。怖い、けれどコミカルという役で、さすがはイーストウッドだなぁというところを見せつけてもらいました。


しかしです、イーストウッド監督は、ただ単に面白いだけの映画なんてみせてはくれません。わかってはいたんです、しかし、やっぱりまたかというか、がっかりした*1というか。またも打ちのめされました。そうなることはわかっていたはずなのに、それでもなお、胸に刻まれたというか、打ち付けられたというか、人の心に波風たたさずにはいられないひとなんだなぁと思いました。おっそろしい人だ。


きっとこの映画も、見た人の心には長いこと刻まれてしまうのかなぁと思います。もうひたすら重たいものをこちらに投げかけてきます、彼が見せ付けてきたものはあまりにも重い。
これが生き様か。


そう、そもそも映画は人の生き様を見せつけるものなんだろうとは思います、そういう風に考えると、この作品こそが映画なのかもしれません。


初めて、『ダーティ・ハリー』を見たときに、彼のように生きたい!*2と思わされたんですが、今作を見て、彼のように生きられるだろうかと考えちゃいました。
確かに、今回彼が演じた役は人生の晩年ですから、今の私からするとあまり現実味はない*3わけです。けど、いつかはきっと考えるんだろうなと思います。どう生きて、どうそれを終えるのかと。


グラン・トリノっていうのは古いフォード車なんですけど、個性的でかっこいいです。
所有とかいうのとは別ですが、一度は乗り回してみたい感じしますね。
今の車はあまりにもデザインが似かよりすぎな気はします。


今作で重要な役どころを果たした、なんと本作画映画デビューというアーニー・ハーさんが妙に可愛かったです。美人っていうわけではないんですけど、魅力ある子でした。


イーストウッド演じる頑固爺が徐々に変わっていくのを見るだけでも楽しめるというか、興味深く見つづけられますし、重たいラストがまた、凄い映画みせられたなぁと感じさせてくれる凄い映画だと思います。


面白いって言うとなんか違うんですよね。残るんですよ、なにか重いものを押し付けられるくらいなかんじが。


凄い映画だと思います。


といったところで、今週はこの辺で。
来週ていうかもう来月か、何見ましょうかねぇ。
ではまた。

*1:予定調和を望むかすかな期待を打ち砕かれたという意味で

*2:やっぱり若気の至りでしょうか

*3:とかいっても明日にでも死ぬかもしれませんけどね